MRI(磁気共鳴診断)装置を使用して脳を検査
MRI(磁気共鳴診断)装置を使用して脳を検査します。横になるだけの検査なので痛みはなく、薬を使用しないため副作用の心配もありません。
また、磁気を利用した検査法のため被爆の恐れは全くありません。(ただし、心臓ペースメーカーを使用されている方は検査を受けられません)。
立体断層や血管を撮影後、脳動脈瘤や脳梗塞などの脳血管障害や脳腫瘍の画像診断まで、わずか1時間で行います。
MRI検査画像

脳の断層像を詳細に見ることができます。脳腫瘍などの大きな異常だけでなく、小さい脳梗塞や脳出血の痕跡も見ることができます。
MRA検査画像

脳の血管を見ることができます。動脈瘤や動脈硬化による狭窄や閉塞の診断に役立ちます。
次のような方には脳ドックをお勧めします。
- 高血圧や脂質異常症、糖尿病などを指摘されたことがある方
- 家系に脳血管障害になった人がいる方
- 脳の病気が気になる方
- 過度の飲酒をされる方
- たばこを吸う方
- 頭痛が気になる方
脳MRI・MRA検査でわかること
- 認知症の原因となる変性疾患や水頭症、脳の萎縮状態
- 脳梗塞の原因となる脳血管の狭窄、頸動脈狭窄
- くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤
- その他の脳血管の異常(脳動静脈奇形や動静脈瘻など)
- 症状に現れないような小さい無症候性脳梗塞、ラクナ梗塞、小さい脳出血など)
- 脳腫瘍

脳動脈瘤(矢印):脳の血管の壁が膨らんでこぶ状に見えます。膨らんでいる部分が破れるとくも膜下出血になります。
脳MRI・MRA検査による脳ドックでは、脳卒中の原因となる脳動脈瘤や脳動脈の狭窄を見つけることができます。
また、症状は特にないものの小さい脳梗塞や脳出血を既に起こしていることもあり、これらを発見することで今後の大きな梗塞や出血の予防につなげることができます。
認知症については、アルツハイマー病など薬で治療するもののほかに、水頭症や脳腫瘍などでも認知症を起こすこともあり、手術などの適切な治療によって改善することもあります。
日本人の平均寿命は男女とも80歳を超えていますが、健康寿命(健康上の問題や介護などが不要な状態で過ごせる年齢)は70歳代で、平均寿命とは10年前後の差があります。
この約10年間は介護などが必要な状態での生活になることを示しており、脳卒中を未然に防ぐことや認知症の早期の治療開始は健康寿命を延ばすことになります。